中華人民共和国向け精米の輸出検疫実施要領

沿革
平成20年6月20日 20消安第3741号
第1 趣旨
 中華人民共和国(以下「中国」という。)向けに輸出される精米の植物防疫法(昭和25年法律第151号。以下「法」という。)第10条の規定に基づく輸出検疫は、法、植物防疫法施行規則(昭和25年農林省令第73号。以下「規則」という。)及び輸出植物検疫規程(昭和25年8月4日農林省告示第231号)に定めるもののほか、この要領により実施するものとする。
 
第2 定義
1 この要領において「カツオブシムシ類」とは、ヒメアカカツオブシムシ、ヒメマダラカツオブシムシ及びカザリマダラカツオブシムシをいう。
2 この要領において「精米工場」とは、玄米から精米を生産する施設(当該施設に玄米貯蔵庫が併設されている場合には、これを含む。)をいう。
3 この要領において「くん蒸倉庫」とは、中国向けに輸出される精米のくん蒸を行う施設をいい、「くん蒸室」とは、くん蒸倉庫内のくん蒸を実施する部屋をいう。
 
第3 精米工場の指定
1 中国向けに輸出される精米の精米工場としての指定を希望する精米工場の代表者は、中国向け精米工場指定申請書(別記様式1。以下「精米工場指定申請書」という。)に関係書類を添付して、当該精米工場の所在地を管轄する植物防疫所長、植物防疫事務所長、支所長又は出張所長(以下「植物防疫所長等」という。)あてに提出するものとする。
2 植物防疫所長等は、1により精米工場指定申請書の提出があったときは、植物防疫官に次の審査を行わせるものとする。
(1)書類審査
 精米工場指定申請書に基づき、当該精米工場が別表1に掲げる指定基準(発生調査に関する基準を除く。)に適合するか否かを書面により審査する。
 審査の結果、当該指定基準に適合しないと認めたときは、(2)の実地審査は行わないものとする。
(2)実地審査
 (1)の書類審査に合格した精米工場において、精米工場指定申請書に記載された事項、関係書類の内容及びカツオブシムシ類に対するトラップの設置状況について実地審査を行うものとする。
3 植物防疫官は、実地審査の終了後、遅滞なく、書類審査及び実地審査の結果を取りまとめ、意見を付して植物防疫所長等に報告しなければならない。
4 植物防疫所長等は、3の報告を受けたときは、その内容を審査し、別表1に掲げる指定基準(発生調査に関する基準を除く。)に適合していると判断した精米工場について、当該精米工場の審査状況の概要及び関係書類を添付した上で、カツオブシムシ類の発生調査を1年間実施する旨を植物防疫所長(植物防疫事務所長を含む。以下同じ。)を通じて消費・安全局植物防疫課長(以下「植物防疫課長」という。)あてに通知するものとする。
5 植物防疫官は、必要に応じて申請者の行う発生調査について助言及び指導を行うとともに、月1回以上、実地に、又は書類により確認するものとする。
6 申請者は、1年間の発生調査終了後、その調査結果を別記様式2により植物防疫所長等あてに提出するものとする。
7 植物防疫所長等は、申請者から提出された1年間の発生調査結果の内容を審査し、カツオブシムシ類が発見されていないことが確認された場合は、その旨を植物防疫所長を通じて植物防疫課長あてに通知するものとする。
8 植物防疫課長は、植物防疫所長等から7の通知を受けた場合には、中国国家質量監督検験検疫総局(以下「質検総局」という。)に対して発生調査結果を添えて書面にて当該精米工場への訪問を要請するとともに、当該精米工場を中国向けに輸出される精米の精米工場として指定することについて協議するものとする。
9 植物防疫課長は、質検総局と精米工場の指定について協議が調った場合には、速やかにその旨を植物防疫所長を通じて植物防疫所長等あてに通知するものとする。
10 9の通知を受けた植物防疫所長等は、速やかに当該精米工場を中国向けに輸出される精米の精米工場として指定するとともに、その旨を植物防疫所長を通じて植物防疫課長あてに通知するものとする。また、遅滞なく申請者に対して、別記様式3により指定した旨を通知するとともに、植物防疫所のホームページにおいて公表するものとする。
 
第4 精米工場の調査
 植物防疫官は、第3により指定された精米工場(以下「指定精米工場」という。)について、別表1の指定基準に合致し、必要な記録が保管されていることを、月1回以上、実地に、又は書類により確認するものとする。
 
第5 精米工場の指定取消し等
1 植物防疫所長等は、次のいずれかに掲げる場合には、当該指定精米工場からの輸出を停止させ、かつ指定を取り消すことができる。
(1)輸出検査においてカツオブシムシ類が発見された場合
(2)指定精米工場が別表1の指定基準(発生調査に関する基準を除く。)に適合しなくなった場合
(3)指定精米工場においてカツオブシムシ類が発見された場合
(4)指定精米工場においてカツオブシムシ類と疑われる昆虫が発見されたにもかかわらず、植物防疫所長等への通知が行われていなかった場合
(5)別表1に掲げる指定基準の記録の保管が適切に実施されていなかった場合
(6)指定精米工場の代表者から指定取消しの申出があった場合
2 植物防疫所長等は、1により指定を取り消した場合には、申請者あてに別記様式4により通知するとともに、その旨を植物防疫所長を通じて植物防疫課長あてに報告するものとする。
 
第6 くん蒸倉庫の登録
1 中国向けに輸出される精米のくん蒸倉庫としての登録を希望するくん蒸倉庫の代表者は、中国向け精米くん蒸倉庫登録申請書(別記様式5。以下「くん蒸倉庫登録申請書」という。)に関係書類を添付して、当該くん蒸倉庫の所在地を管轄する植物防疫所長等あてに提出するものとする。
2 植物防疫所長等は、1によりくん蒸倉庫登録申請書の提出があったときは、植物防疫官に次の審査を行わせるものとする。
  (1)輸入植物検疫規程(昭和25年7月8日農林省告示第206号)第4条第2項の規定により植物防疫官が指定したくん蒸倉庫(以下「指定くん蒸倉庫」という。)の場合
 ア 書類審査
   くん蒸倉庫登録申請書に基づき、当該指定くん蒸倉庫が別表2に掲げる登録基準(発生調査に関する基準を除く。)に適合するか否かを書面により審査する。
   審査の結果、当該登録基準に適合しないと認めた時は、イの実地審査は行わないものとする。
 イ 実地審査
   アの書類審査に合格した指定くん蒸倉庫において、くん蒸倉庫登録申請書に記載された事項、関係書類の内容及びカツオブシムシ類に対するトラップの設置状況について確認するものとする。
(2)指定くん蒸倉庫ではない場合
 ア 書類審査
   くん蒸倉庫登録申請書に基づき、当該くん蒸倉庫が別表2に掲げる登録基準(発生調査に関する基準を除く。)に適合するか否かを書面により審査する。審査の結果、当該登録基準に適合しないと認めた時は、イの実地審査は行わないものとする。
 イ 実地審査
   アの書類審査に合格したくん蒸倉庫において、くん蒸倉庫指定要綱(昭和46年2月6日45農政第2628号)第5の(2)に準じた審査を行い、指定くん蒸倉庫と同等の要件を満たしていることが確認できた場合には、くん蒸倉庫登録申請書に記載された事項、関係書類の内容及びカツオブシムシ類に対するトラップの設置状況について確認するものとする。
3 植物防疫官は、実地審査終了後、遅滞なく、書類審査及び実地審査の結果を取りまとめ、意見を付して植物防疫所長等あてに報告しなければならない。
4 植物防疫所長等は、3の報告を受けたときは、その内容を審査し、別表2に掲げる登録基準(発生調査に関する基準を除く。)に適合していると判断したくん蒸倉庫について、当該くん蒸倉庫の審査状況の概要及び関係書類を添付した上で、カツオブシムシ類の発生調査を3か月間実施する旨を植物防疫所長を通じて植物防疫課長あてに通知するものとする。
5 植物防疫官は、必要に応じて申請者の行う発生調査について助言及び指導を行うとともに、月1回以上、実地に、又は書類により確認するものとする。
6 申請者は、3か月間の発生調査終了後、その調査結果を別記様式6により植物防疫所長等あてに提出するものとする。
7 植物防疫所長等は、申請者から提出された3か月間の発生調査結果の内容を審査し、カツオブシムシ類が発見されていないことが確認された場合は、速やかに当該くん蒸倉庫を中国向けに輸出される精米のくん蒸施設として登録するとともに、その旨を植物防疫所長を通じて植物防疫課長あてに通知するものとする。
8 植物防疫課長は、植物防疫所長等から7の通知を受けた場合には、質検総局に対して発生調査結果を添えて当該くん蒸倉庫が登録された旨を通知するものとする。
9 植物防疫所長等は、登録を行った後遅滞なく、別記様式7により申請者に登録した旨を通知するとともに、当該くん蒸倉庫を植物防疫所のホームページにおいて公表するものとする。
 
第7 くん蒸倉庫の登録取消し等
1 植物防疫所長等は、次のいずれかに掲げる場合には、第6により登録したくん蒸倉庫(以下「登録くん蒸倉庫」という。)からの輸出を停止させ、かつ登録を取り消すことができる。
(1)輸出検査においてカツオブシムシ類が発見された場合
(2)登録くん蒸倉庫が別表2の登録基準(発生調査に関する基準を除く。)に適合しなくなった場合(指定くん蒸倉庫でない登録くん蒸倉庫にあっては、第6の2の(2)のイの実地審査において確認された指定くん蒸倉庫と同等の要件を満たさなくなった場合を含む。)
(3)登録くん蒸倉庫においてカツオブシムシ類が発見された場合
(4)登録くん蒸倉庫においてカツオブシムシ類と疑われる昆虫が発見されたにもかかわらず、植物防疫所長等への通知が行われていなかった場合
(5)別表2に掲げる登録基準の記録の保管が適切に実施されていなかった場合
(6)登録くん蒸倉庫の代表者から登録取消しの申出があった場合
2 植物防疫所長等は、1により指定を取り消した場合には、申請者あて別記様式8により通知するとともに、その旨を植物防疫所長を通じて植物防疫課長あてに報告するものとする。
 
第8 再汚染防止措置の確認
 植物防疫官は、指定精米工場から登録くん蒸倉庫へ精米を運搬するために用いるコンテナー、トラック等に精米を積載する前に、当該コンテナー、トラック等が密閉型であること並びに精米工程後の再汚染を防止するための検査及び消毒が行われていることを実地に、又は書類により確認するものとする。
 
第9 くん蒸処理の確認
1 精米を中国へ輸出しようとする者(以下「輸出者」という。)は、登録くん蒸倉庫の所在地を管轄する植物防疫所(植物防疫事務所、支所及び出張所を含む。以下同じ。)の植物防疫官に対し、中国向け精米くん蒸計画書(別記様式9)を提出するものとする。
2 植物防疫官は、くん蒸処理の開始前及び終了後に以下の事項を確認することによりくん蒸処理が適切に行われたことを確認するものとする。
(1)くん蒸処理は、登録くん蒸倉庫で実施されること。
(2)別表3の基準により、リン化アルミニウムを用いてくん蒸が行われたこと
(3)包装は、くん蒸処理が行える程度の通気性があり、新しい包装材で行われたものであること。
 
第10 輸出検査
1 輸出者は、登録くん蒸倉庫の所在地を管轄する植物防疫所の植物防疫官に対し、事前に、指定精米工場名及び精米日時の情報を添付した植物等輸出検査申請書(規則第14号様式)を提出するものとする。
2 植物防疫官は、くん蒸終了後速やかに輸出検査を行い、その際には、当該精米が指定精米工場で精米され、かつ、当該指定精米工場において包装されたものであることを当該指定精米工場の記録、包装の表示等により確認するとともに、第8の再汚染防止措置の確認及び第9の2のくん蒸処理の確認を受けたものであることを書類により確認した上で、特に、次の事項について検査するものとする。
(1)くん蒸処理の1か月前から精米の搬出時までの間、くん蒸室及び精米の搬入経路において別表2に掲げる登録基準の発生調査が行われ、カツオブシムシ類が発見されないこと。
(2)精米の各包装に中国向けである旨の中国語の表示に加え、品種並びに指定精米工場、輸出者の名称及び住所の中国語の表示があること。
(3)精米にカツオブシムシ類、土壌、玄米、籾、ぬか、雑草種子及び植物残さが混入していないこと。
(4)輸出用コンテナーが密閉型であること並びに有害動植物の精米への混入を防止するための検査及び消毒が行われていること。
3 検査数量は以下のとおりとする。
 
荷口の大きさ
検査数量
120kg未満
120kg以上   20t未満
20t以上     70t未満
70t以上    500t未満
500t以上 2,000t未満
2,000t以上 4,000t未満
4,000t以上 10,000t未満
10,000t以上
5%以上
6kg以上
10kg以上
15kg以上
30kg以上
45kg以上
60kg以上
80kg以上
 
第11 合格証明書の交付
1 植物防疫官は、第10の2の検査に合格した荷口に対して、合格証明書(規則第18号様式(ロ))を交付するものとする。
2 合格証明書の交付に際しては、消毒処理欄にリン化アルミニウムくん蒸処理について記述するとともに、追記欄に“The polished rice in this shipment complies with the requirements specified in the protocol between AQSIQ and MAFF on Japanese polished rice to China, signed on April 11, 2007 in Tokyo”との英文の追記を行うこと(英文は「当該植物検疫証明書が証明する精米は、中国と日本が平成19年4月11日、東京において署名された中国に輸出する日本産米の植物衛生条件議定書の条件に合致する。」との意味)。
3 合格証明書には、輸出コンテナー番号及び封印番号を記入するものとする。
4 合格証明書には、くん蒸処理に係る資料(別記様式10から12まで)を添付するものとする。


別記様式1
別記様式2
別記様式3
別記様式4
別記様式5
別記様式6
別記様式7
別記様式8
別記様式9
別記様式10
別記様式11
別記様式12
別表1
別表2
別表3