アメリカ合衆国向けかき輸出検疫実施要領

沿革
平成30年3月1日 29消安第6015号
第1 趣旨
1 アメリカ合衆国(グアム及び北マリアナ諸島を除く。)へ輸出するかきの生果実(以下「米国向けかき」という。)について、米国向けかきの生産者(以下「生産者」という。)、選果技術員(病害虫寄生果の選別及び選別並びに選果従事者への技術指導を行う者をいう。以下同じ。)及び選果こん包施設の責任者等が実施する園地管理、収穫及び選果こん包等が関係法令に従って適切に実施されることを確保するほか、植物防疫官が行う検疫を斉一に実施することをもって我が国からの米国向けかきの円滑な輸出を確保するため、本要領を定める。
2 米国向けかきの検疫は、植物防疫法(昭和25年法律第151号)、植物防疫法施行規則(昭和25年農林省令第73号。以下「規則」という。)及び輸出植物検疫規程(昭和25年8月4日農林省告示第231号)に定めるもののほか、この要領により実施するものとする。なお、栽培地検査実施細則(昭和32年4月9日付け32振局第1065号振興局長通達)は、米国向けかきの検疫については適用しない。
 
第2 定義
 この要領において「かき」とは、Diospyros kakiをいう。
 
第3 補助員の設置
1 植物防疫所長(那覇植物防疫事務所長を含む。以下同じ。)は、植物防疫官による第6の栽培地検査及び第7の選果こん包作業等の確認を補助させるため、病害虫に関する知識を有し、かつ、米国向けかきの売買に直接利害関係を有しない者を米国向けかき検査補助員(以下「補助員」という。)として、第1号様式による辞令を交付して委嘱できるものとする。
2 1の補助員は、米国向けかきを生産する都道府県(以下「都道府県」という。)の主務部長が推薦した者の中から委嘱するものとする。
3 植物防疫所長は、補助員を委嘱したときは、当該補助員に対し、その者が担当すべき地域及び事務の内容を指示するものとする。
4 補助員の担当地域を管轄する植物防疫所(那覇植物防疫事務所、支所及び出張所を含む。以下同じ。)の植物防疫官は、当該補助員に対し、その者が担当すべき事務に係る講習及び指導を行うものとする。
 
第4 生産地域及び生産園地の登録
1 生産者又は生産者が属する生産者団体等(以下「生産者団体等」という。)の責任者は、都道府県の指導の下に、米国向けかきの栽培に際し、次のア及びイの措置が的確に実施される地域及び園地をそれぞれ米国向けかきの生産地域及び生産園地として申請するものとする。
ア アメリカ合衆国が侵入を警戒する別表1に掲げる病害虫の防除を目的とした都道府県等が定める米国向けかき防除プログラム(以下「防除プログラム」という。)に基づき、病害虫防除所、果樹試験場等の助言・指導の下に、防除及び栽培管理が行われること。
イ アの防除及び栽培管理の実施状況について、生産者により、生産園地の管理に係る記録が作成され、保管されること。
2 生産者又は生産者団体等の責任者は、1の申請に当たっては、栽培地検査申請書(規則第12号様式)を作成の上、都道府県に提出するものとする。
3 都道府県は、栽培地検査申請書を取りまとめ、別表1に掲げる病害虫の防除を目的とした当該生産地域の防除プログラムを添えて、毎年4月30日までに当該生産地域の所在地を管轄する植物防疫所の植物防疫官に提出するものとする。
4 3で栽培地検査申請書等の提出を受けた植物防疫官は、申請書に添付された防除プログラムが別表1に掲げる病害虫を対象とした適切な内容であることの確認を行い、承認するものとする。なお、植物防疫官は、防除プログラムに不十分な点があった場合は、提出した都道府県に対し、防除プログラムの是正を求めるものとする。
5 3で栽培地検査申請書の提出を受けた植物防疫官は、4による防除プログラムの承認後に、提出された栽培地検査申請書の内容に基づき、米国向けかき登録生産園地一覧表(第2号様式)により、米国向けかきの生産地域及び生産園地を登録するとともに、都道府県を経由して、生産者又は生産者団体等の責任者に対し、米国向けかき登録生産園地一覧表を通知するものとする。
 なお、米国向けかきの生産園地の登録を行った植物防疫官は、当該米国向けかき登録生産園地一覧表を、登録した年の4月から2年間保管するものとする。
6 5で植物防疫官により登録された米国向けかきの生産地域(以下「登録生産地域」という。)内の生産園地(以下「登録生産園地」という。)を管理する生産者は、当該登録生産園地の見やすい場所に、規則第24条第2項の表示(規則第13号様式。以下「標札」という。)を行うものとする。
7 植物防疫官は、第3により補助員が設置されている場合は、当該補助員に対し、当該補助員が担当すべき登録生産地域を指示するものとする。
 
第5 選果技術員及び選果こん包施設の登録
選果技術員及び選果こん包施設の登録は、次により行うものとする。
1 選果こん包施設の登録申請
(1)選果こん包施設の責任者は、米国向けかき選果こん包施設登録申請書(第3号様式。以下「選果こん包施設登録申請書」という。)を、都道府県を経由して、毎年7月31日までに当該選果こん包施設の所在地を管轄する植物防疫所の植物防疫官に提出するものとする。
(2)選果こん包施設の責任者は、(1)により提出した選果こん包施設登録申請書の記載内容に変更があったときは、都道府県を経由して、速やかに修正後の選果こん包施設登録申請書を、当該選果こん包施設の所在地を管轄する植物防疫所の植物防疫官に提出するものとする。
2 選果技術員の配置及び登録
(1)選果こん包施設の責任者は、選果技術員を配置するものとする。
(2)1の(1)の選果こん包施設登録申請書の提出を受けた植物防疫官は、選果技術員に対し、病害虫の識別に関する技術研修(以下「識別研修」という。)を実施し、受講者を識別研修の修了者として登録するものとする。
3 選果こん包施設の登録及び公表
(1)1の(1)の選果こん包施設登録申請書の提出を受けた植物防疫官は、次に掲げる要件を備え、第7に基づく選果こん包等を行う施設を米国向けかきの選果こん包施設として登録するものとする。
 なお、登録に際し、必要に応じて植物防疫官は当該要件を満たしているか確認するものとする。
ア 選果及び検査のための十分な照明設備及び選果設備を有すること。
イ 施設内に登録生産園地以外で生産されたかき等の生果実がある場合は、米国向けかきと物理的に隔離して保管できること。
ウ 定期的に清掃、消毒等が適切に行われており、その記録が保管されていること。
エ 配置された選果技術員の識別研修が修了していること。
(2)(1)で登録を行った植物防疫官は、登録した選果こん包施設(以下「登録選果こん包施設」という。)を都道府県に通知するものとする。
   また、植物防疫所長は、登録選果こん包施設の情報を米国向けかき登録選果こん包施設一覧表(第4号様式)により毎年8月31日までに植物防疫課長に報告するとともに、米国向けかき登録選果こん包施設一覧表(選果こん包施設責任者氏名及び選果技術員氏名の欄を除く。)を植物防疫所ホームページに掲載するものとする。
   なお、登録選果こん包施設を管轄する植物防疫所の植物防疫官は、米国向けかき登録選果こん包施設一覧表を、登録した年の4月から2年間保管するものとする。
(3)選果こん包施設の登録後に、(1)の要件を満たしていないことが判明した場合、植物防疫官は、当該登録選果こん包施設の責任者に対し、改善措置を実施するよう指導するものとする。
なお、植物防疫官が改善措置を実施するよう指導したにもかかわらず、従わない場合には、植物防疫官は、当該登録選果こん包施設に係る(1)の登録を取り消すものとする。
 
第6 登録生産地域における栽培地検査
1 植物防疫官は、登録生産地域について、次により栽培地における検査(以下「検査」という。)を行うものとする。
 なお、検査を行う登録生産地域に、第3により補助員が設置されている場合は、その検査の一部を補助員に実施させることができるものとする。
 また、登録生産園地を管理する生産者は、当該検査に立ち会わなければならないものとする。
(1)補助員が補助する検査の方法
 補助員が補助する検査(以下「補助員検査」という。)については、次のとおり行うものとする。
ア 対象病害虫
別表1に掲げる病害虫
イ 実施時期
6月から米国向けかきの収穫が終了するまでの間
ウ 検査の方法
補助員は、登録生産地域で防除プログラムが適切に実施されていることを次により確認する。
(ア)園地管理記録の確認
 補助員は、6月から米国向けかきの収穫が終了するまでの間、毎月、全ての登録生産園地の園地管理記録を確認する。
(イ)目視による検査
 補助員は、6月から米国向けかきの収穫月の前月までの間、毎月、登録生産地域内のいずれかの登録生産園地について、別表1に掲げる病害虫の発生の有無を、目視により検査する。なお、全ての登録生産園地に対し、少なくとも1回は検査を実施することとする。
エ 補助員検査の結果
補助員は、検査の実施ごとに、補助員検査の結果を米国向けかき生産地域検査成績(第5号様式)により記録し、植物防疫官に提出するものとする。植物防疫官は、補助員から提出された検査結果を確認し、防除プログラムが適切に実施されていない場合には、補助員を通じ生産者に防除プログラムを適切に実施するよう指導する。
(2)植物防疫官の検査の方法
 植物防疫官は、(1)の補助員検査が行われた場合は補助員の立会いの下で、(1)の補助員検査が行われなかった場合は当該補助員検査と同様の検査を自ら行った上で、当該検査の結果を基に、登録生産地域について次のとおり検査を行うものとする。
 なお、(1)のエに基づき補助員が生産者に指導したにもかかわらず、従わない場合には、植物防疫官は、当該登録生産園地に係る第4の5の登録を取り消すものとする。
ア 対象病害虫
別表1に掲げる病害虫
イ 実施時期
米国向けかきの収穫前
ウ 検査の方法
植物防疫官は、登録生産地域ごとに登録生産園地数に応じて別表2に掲げる園地数を抽出する。植物防疫官は、抽出した登録生産園地において、別表1に掲げる病害虫の発生の有無を目視により確認する。
エ 植物防疫官検査の結果
植物防疫官は、検査の結果を米国向けかき登録生産地域検査成績に記録する。
2 植物防疫官は、1の(2)の検査(1の(1)の補助員検査と同様の検査を自ら行う場合は、当該検査を含む。)の実施に当たって、登録生産園地ごとの検査の日程をあらかじめ生産者又は生産者団体等の責任者に通知するものとする。
 なお、1の(1)の補助員検査を行う場合は、補助員から生産者又は生産者団体等の責任者に通知するものとする。
3 植物防疫官は、1の(2)の検査の結果、登録生産地域内の抽出した全ての登録生産園地に別表1に掲げる病害虫がないことを認めたときは、当該生産地域の生産者又は生産者団体等の責任者に対し、栽培地検査合格証明書(規則第19号様式)を交付するものとする。
4 植物防疫官は、1の(2)の検査の結果、登録生産地域内の抽出した登録生産園地のいずれかで別表1に掲げる病害虫が発見された場合、当該登録生産園地の属する登録生産地域に係る第4の5の登録を取り消すものとする。
5 植物防疫官は、1の検査の結果、登録生産地域に係る第4の5の登録を取り消したときは、当該登録生産地域の生産者又は生産者団体等の責任者に対し、取消しの理由及び標札を撤去すべき旨を通知するものとする。
 
第7 選果こん包等の実施
1 登録選果こん包施設における米国向けかきの選果こん包作業等は、次により行うものとする。なお、選果作業を行う場合は、作業に従事する者の中に第5の2の登録を受けた選果技術員を少なくとも1人配置するものとする。
(1)登録生産園地で生産されたかきを選果すること。
(2)選果こん包作業の開始前に清掃を行うこと。
(3)米国向けかきのこん包に用いる容器は、未使用のものであること。また、原則として、密閉式の容器(通気孔を設ける場合は、孔の直径が1.6ミリメートル以下のものに限る。)を使用するものとするが、非密閉式の容器を使用する場合には、次に掲げる措置を行うこと。
  ア こん包又は束ねたこん包全体を網(網の目の最大径が1.6ミリメートル以下のものに限る。)で覆い、保管すること。
  イ 海港又は空港へ輸送する際は、密閉式輸送機器を用いること。
(4)傷果、奇形果及び病害虫寄生果が発見された場合には、選別後、それらを施設外へ搬出、又は、病害虫の分散が防止できる密閉容器等に隔離すること。
(5)登録生産園地で生産された米国向けかきと登録生産園地以外で生産されたかき等の生果実のこん包を同時に行わないこと。
(6)施設内に登録生産園地以外で生産されたかき等の生果実がある場合は、米国向けかきと隔離して保管すること。
(7)各こん包の側面に、登録生産地域名、登録生産園地番号、登録選果こん包施設番号及び米国向けであることを表示すること(参考様式)。
(8)こん包容器には、米国向けかき以外の植物類、土など、別表1に掲げる病害虫の媒介物となり得るものが混入していないこと。
2 植物防疫官は、原則として、1年に1回以上、米国向けかきの選果こん包作業等に立ち会い、選果こん包作業等が1に基づき適切に実施されていることを確認するものとする。
  なお、第3により補助員が設置されている場合は、選果こん包作業等の確認を補助員に行わせることができるものとする。
3 2の立会いの際に、選果こん包作業等が適切に実施されていないことが判明した場合、植物防疫官は、当該登録選果こん包施設の責任者に対し、改善措置を実施するよう指導するものとする。
      なお、植物防疫官が改善措置を実施するよう指導したにもかかわらず、従わない場合には、植物防疫官は、当該登録選果こん包施設に係る第5の3の(1)の登録を取り消すものとする。
 
第8 選果こん包実施報告書の交付
登録選果こん包施設の責任者は、選果こん包等が第7の1の(1)から(8)までにより行われたと判断した場合には、サイズ、箱数及び玉数が品種ごとに記載された書類を添付した米国向けかき選果こん包実施報告書(第6号様式。以下「実施報告書」という。)を2部(輸出検査申請書添付用及び輸出者保管用)作成し、輸出者(選果こん包の実施依頼者を含む。)に交付するものとする。
 
第9 輸出検査
1 第6の3で栽培地検査合格証明書が交付された登録生産園地で生産され、登録選果こん包施設で選果こん包が行われた米国向けかきの輸出者は、植物等輸出検査申請書(規則第14号様式(イ)。以下「輸出検査申請書」という。)にアメリカ合衆国政府が交付する輸入許可証の写し及び第8で登録選果こん包施設の責任者から交付された実施報告書を添えて、あらかじめ輸出検査の実施を希望する植物防疫所の植物防疫官に提出するものとする。
2 植物防疫官は、1の輸出者に、あらかじめ輸出検査の実施予定日時及び実施場所を通知するものとする。
3 植物防疫官は、次により輸出検査を実施するものとする。
(1)輸出検査の単位(ロット)
 申請のあった生果実に対し、登録生産地域及び登録選果こん包施設が同一のものを品種ごとに1つの輸出検査単位(ロット)とする。
(2)輸出検査の内容
 1ロットから別表3に掲げる数量を無作為に抽出し、次について確認するものとする。なお、傷や食害痕等があり、害虫の寄生が疑われる場合は、適宜切開して寄生の有無を調査するものとする。
ア 別表1に掲げる病害虫が認められないこと。
イ 抽出したかきが含まれる各こん包の側面に、登録生産地域名、登録生産園地番号、登録選果こん包施設番号及び米国向けの表示があること(参考様式)。
ウ 抽出したかきが含まれるこん包には、土、枝葉等の混入がないこと。
(3)輸出検査の結果行う措置
ア 米国向けかきの輸出検疫条件に適合すると認められた場合
下記の追記を行った合格証明書(規則第18号様式(ロ))を交付するものとする。
This is to certify that the fruit in the consignment were grown, packed, and inspected and found to be free of pests in accordance with the requirements of 7 CFR 319.56-79.
イ 別表1に掲げる病害虫が発見された場合
当該病害虫が発見されたロットを不合格とするものとする。
 
第10 その他
米国向けかきは、商業用貨物に限定されるものとする。


第1〜6号様式、参考様式
別表1〜3