オーストラリア産ハス種のアボカドの生果実に関する植物検疫実施細則

沿革
平成30年1月26日 29消安第5379号 消費・安全局長通知

 植物防疫法施行規則(昭和25年農林省令第73号。以下「規則」という。)別表2の付表第64のオーストラリアから発送され、他の地域を経由しないで輸入されるハス種のアボカドの生果実(以下「日本向け生果実」という。)に係る植物検疫の実施については、植物防疫法(昭和25年法律第151号)、規則、輸入植物検疫規程(昭和25年7月8日農林省告示第206号。以下「規程」という。)及び平成30年1月26日農林水産省告示第210号(以下「告示」という。)で規定するもののほか、この細則に定めるところによる。

 

1 地域

(1)告示1の指定生産園地及び指定地域は、オーストラリア植物防疫機関が指定することとし、別記様式1及び2により、オーストラリア植物防疫機関から、輸出初年度の輸出期間の開始前までに、日本国植物防疫機関宛てに通知されるものとされている。なお、オーストラリア植物防疫機関が指定生産園地又は指定地域の指定を変更し、又は取り消した場合は、その都度、日本国植物防疫機関宛てに通知するものとされている。

(2)告示1の指定生産園地においては、樹上から落下した生果実の除去、その他の検疫有害動植物に対する病害虫防除が適切に行われているものとされている。

 

2 生産地における調査

  告示2のトラップ調査及び生果実調査は、次により行うものとされている。

(1)トラップ調査

ア 調査対象はクインスランドミバエとし、調査期間は周年とすること。

イ 誘殺虫は、2週間に1回、回収すること。

ウ 誘引剤は、キュウルアを使用し、年2回以上交換すること。

エ トラップは、クインスランドミバエの侵入の危険度に応じて、植物検疫措置に関する国際基準第26に準拠した密度でリンフィールド型トラップ又は同等のトラップを設置すること。

(2)生果実調査

ア 調査は、クインスランドミバエの寄主植物の生果実のうち、特に傷害、奇形等が認められるもの及び落下しているものを中心に、適宜切開し、又は保管してクインスランドミバエの寄生の有無について行うこと。

イ 保管して調査する場合は、約23℃〜28℃で2〜3週間保管し、クインスランドミバエの寄生の有無を確認する方法によること。

 

3 生産地における調査の結果の記録、保管及び報告

(1)2の(1)及び(2)の調査の結果は、オーストラリア植物防疫機関がそれぞれ次に掲げる事項を記録し、保管するものとされている。

ア トラップ調査

(ア)地域

(イ)調査年月日

(ウ)トラップ番号

(エ)クインスランドミバエの誘殺虫数

イ 生果実調査

(ア)地域

(イ)調査年月日

(ウ)寄主植物名

(エ)調査果実数

(オ)調査結果

(2)2の(1)及び(2)の調査の結果は、オーストラリア植物防疫機関が別記様式3により日本国植物防疫機関の要請に応じて報告するものとされている。

 

4 生産地における検査

(1)告示4の(1)の生産地における検査は、オーストラリア植物防疫機関が、輸出される荷口の日本向け生果実が指定生産園地で生産され、告示6のこん包施設における日本向け生果実の選別及びこん包(以下「選別及びこん包」という。)が実施されたものであることを確認した上で、日本向けに輸出される荷口ごとに、無作為に生果実600個以上又は生果実のこん包数の2パーセント以上について抽出して、成熟した又はハス種以外のアボカドの生果実がないこと及び検疫有害動植物、特にチチュウカイミバエ又はクインスランドミバエの付着がないことを確認することにより行うものとされている。

(2)告示4の(1)の生産地における検査の結果は、オーストラリア植物防疫機関が記録し、次年度の輸出期間が終了するまで保管するものとされている。

(3)告示4の(1)の生産地における検査の結果、ハス種のアボカドの生果実(成熟したものを除く。)以外の生果実が発見された場合には、オーストラリア植物防疫機関は、日本国植物防疫機関に通報するとともに、当該生果実が発見された原因について調査し、この原因が判明し、再発防止策について日本とオーストラリアの間で合意されるまでは、当該生果実に係る荷口の選別及びこん包を実施したこん包施設で選別及びこん包が実施されたアボカドの生果実の輸出を停止することとされている。

(4)告示4の(1)の生産地における検査の結果、チチュウカイミバエ又はクインスランドミバエが発見された場合には、オーストラリア植物防疫機関は、日本国植物防疫機関に通報するとともに、チチュウカイミバエ又はクインスランドミバエが発見された原因について調査し、この原因が判明し、再発防止策について日本とオーストラリアの間で合意されるまでは、アボカドの生果実の輸出を停止することとされている。

 

5 植物防疫官による確認

(1)寄主植物の移入規制の実施の確認

 告示5の規定に基づくクインスランドミバエの寄主植物の移入規制の実施の確認は、原則として、1年に1回以上、実地調査等により移入規制が的確に実施されたことを植物防疫官が確認することをもって行うものとする。

(2)トラップ調査及び生果実調査の実施の確認

 告示5の規定に基づく告示2のトラップ調査及び生果実調査の実施の確認は、原則として、1年に1回以上、オーストラリア植物防疫機関が記録したトラップ調査及び生果実調査の実施記録を確認し、2の規定により的確に実施されたことを植物防疫官が確認することをもって行うものとする。なお、植物防疫官が必要と認めたときは、これに加え、随時、実地調査により調査が的確に実施されたことを確認するものとする。

(3)検査の実施の確認

 告示5の規定に基づく告示4の(1)の検査の実施の確認は、原則として、1年に1回以上、オーストラリア植物防疫機関が記録した検査の実施記録を確認し、検査が4の規定により的確に実施されたことを植物防疫官が確認することをもって行うものとする。なお、植物防疫官が必要と認めたときは、これに加え、随時、実地調査により検査が的確に実施されたことを確認するものとする。

(4)(1)から(3)までの植物防疫官による確認の結果、寄主植物の移入規制トラップ調査若しくは生果実調査又はオーストラリア植物防疫機関による検査が的確に実施されていないと判断した場合は、植物防疫官は、オーストラリア植物防疫機関に調査を求め、又は必要に応じ共同して調査することを求めることができるものとする。

 

 こん包施設

(1)告示6のこん包施設は、別記様式4により、オーストラリア植物防疫機関から、輸出初年度の輸出期間の開始前までに、日本国植物防疫機関宛てに通知されるものとされている。なお、オーストラリア植物防疫機関がこん包施設の指定を変更し、又は取り消した場合は、その都度、日本国植物防疫機関宛てに通知するものとされている。

(2)告示6のこん包施設においては、毎年の日本向け輸出のための施設の使用開始前に殺虫剤等で当該こん包施設の消毒をするものとされている。また、輸出期間中においても、必要に応じて消毒を行うものとされている。

(3)告示6のこん包施設における日本向け生果実の選別及びこん包は、日本向け生果実以外の生果実と区分して行われるものとし、ハス種のアボカドの生果実(成熟したものを除く。)以外の生果実が混入しないように行われるものとされている。

(4)告示6のこん包施設は、(3)により選別及びこん包が実施された結果を記録し、次年度の輸出期間が終了するまで保管するものとされている。

 

7 輸出中及び積込み時の措置

 告示7のこん包に通気孔を設ける場合には、次のいずれかの条件を満たすものとされている。ただし、こん包を密閉型海上コンテナー又は密閉型航空コンテナー等の密閉型コンテナーに収容するときには、この限りではない。

(1)通気孔に網(孔の直径が1.6ミリメートル以下のものに限る。)が張られているこん包を使用すること。

(2)こん包または束ねたこん包全体が網(孔の直径が1.6ミリメートル以下のものに限る。)で覆われていること。

 

8 表示

 告示9の輸出植物検疫が終了している旨の表示及び仕向地が日本である旨の表示は、それぞれ次の字句によるものとし、こん包の側面等の見やすい場所に、容易に視認できる大きさで行われるものとされている。

(1)輸出植物検疫終了の表示

PLANT QUARANTINE AUSTRALIA

ただし、コンテナーの封印に表示する場合にあっては、次によるものとする。

Australian Government

(2)仕向地の表示

EXPORTED HASS AVOCADO FOR JAPAN

 

9 クインスランドミバエが発見された場合の措置

2の(1)又は(2)の調査の結果、クインスランドミバエが発見された場合は、オーストラリア植物防疫機関は、直ちに、クインスランドミバエが発見されたこと、発見されたクインスランドミバエの態及び幼虫にあってはその齢、発見されたクインスランドミバエの性別、発見頭数、発見日及び発見場所、クインスランドミバエであると判定した日(以下「同定日」という。)、寄主植物又は誘殺されたトラップの数、前回の調査日並びに最も近接した商業的農業地域までの距離に関する情報について日本国植物防疫機関に通報を行うとともに、以下の措置を講ずることとされている。

(1)緊急調査

 2の(1)のトラップ調査又は(2)の生果実調査の結果、最初の成虫の発見日から起算して2週間以内に最初に発見のあった地点から半径1kmの範囲で成虫が2頭以上発見された場合、次に掲げる措置を講じること。

ア 同定日から起算して2日以内に、発見地点を中心とする半径200mの円内の地域内にトラップを追加設置するとともに、寄主植物について生果実調査を実施すること。

イ トラップは、誘引剤としてキュウルアを使用したリンフィールド型トラップを16個以上追加設置すること。

ウ 調査は、同定日の翌日から週2回の頻度で、少なくとも6週間継続して実施すること。

(2)輸出停止及び移出停止

 2の(1)のトラップ調査、(2)の生果実調査又は9の(1)の緊急調査の結果、以下のいずれかに該当した場合は、最初に発見のあった地点から半径15kmの円内の地域(以下「移出停止地域」という。)で生産された日本向け生果実の全荷口の輸出を停止するとともに、オーストラリア植物防疫機関による緊急行動計画に基づき移出停止地域からクインスランドミバエの寄主植物の移出を停止すること。

ア 最初の成虫の発見日から起算して2週間以内に最初に発見のあった地点から半径1kmの範囲内で成虫が合計5頭以上発見された場合

イ 卵を保有する雌成虫が発見された場合

ウ 寄主植物から幼虫が発見された場合

 また、移出停止地域において、最初のクインスランドミバエの発見日から起算して2週間以内に最初に発見のあった地点から半径1km以上3kmの範囲内でクインスランドミバエが発見された場合は、緊急行動計画に基づき移出停止地域は最初の発見地点から半径30kmの円内の地域に拡大される。

 なお、日本向け生果実の輸出停止の解除については、クインスランドミバエの最終発見後1世代相当期間に28日を加えた期間又は12週間のいずれか長い期間クインスランドミバエの発見がない場合に、日本及びオーストラリア両国の植物防疫機関で協議するものとされている。

(3)移出停止地域を通過する日本向け生果実は、7に掲げる措置を講じること。

(4)移出停止地域で生産されたクインスランドミバエの寄主植物の生果実であって、移出停止地域以外の指定地域を通過する場合は、7に掲げる措置を講じること。

(5)緊急行動計画に基づく根絶防除を開始すること。また、植物防疫官は、必要に応じオーストラリア植物防疫機関が行う根絶防除の実施状況について確認を行うこと。

(6)(1)、(2)及び(5)の措置の実施状況については、途中経過をクインスランドミバエ1世代相当経過期間ごとに日本国植物防疫機関に報告すること。この場合において、当該報告には次の情報が含まれていること。

ア 発生地域及び移出停止地域周辺の地図

イ (1)の場合にあっては、発生地域内に増強されたトラップの密度

ウ (1)の場合にあっては、発生地域内で使用されているトラップの数

エ (1)の場合にあっては、トラップ調査の回数及びその結果

オ (1)の場合にあっては、生果実調査の期間、数量及びその結果

カ (5)の場合にあっては、根絶防除対象地域及びその面積

キ (5)の場合にあっては、空中又は地上薬剤散布の状況

ク (5)の場合にあっては、果実除去の状況

 

10 輸入検査

 輸入検査の手続及び方法は、規則及び規程によるもののほか、次の(1)から(3)までによるものとする。

(1)日本向け生果実の輸入が行われた港又は空港において、当該日本向け生果実、8の表示、告示7の輸送中及び積込み時の措置におけるこん包の状態及び告示8の封印並びに当該生果実に添付されている告示4の(1)の植物検疫証明書を植物防疫官が確認して行うものとすること。

(2)8の表示が適切になされていない場合、告示4の(1)の植物検疫証明書が添付されていない場合、告示7の輸送中及び積込み時の措置に違反するこん包の場合、こん包が破損若しくは開封されている場合又は告示8の封印のない場合は、当該生果実を所有し、又は管理する者に対し、植物防疫官が当該生果実の廃棄又は返送を指示することとすること。

(3)ハス種のアボカドの生果実(成熟したものを除く。)以外の生果実又はチチュウカイミバエ若しくはクインスランドミバエが発見された場合は、植物防疫官が次の措置を講ずるものとすること。

ア 当該生果実を所有し、又は管理する者に対し、ハス種のアボカドの生果実(成熟したものを除く。)以外の生果実又はチチュウカイミバエ若しくはクインスランドミバエが発見された荷口について全量の廃棄又は返送を指示すること。

イ ハス種のアボカドの生果実(成熟したものを除く。)以外の生果実が発見された原因についてオーストラリア植物防疫機関に調査を求め、又は必要に応じ共同して調査し、その原因が判明し、再発防止策について日本とオーストラリアとの間で合意されるまでは、当該荷口の選別及びこん包を実施したこん包施設で選別及びこん包が実施されたアボカドの生果実の以後の輸入検査を中止すること。

ウ チチュウカイミバエ又はクインスランドミバエが発見された原因についてオーストラリア植物防疫機関に調査を求め、又は必要に応じ共同して調査し、その原因が判明し、再発防止策について日本とオーストラリアとの間で合意されるまでは、以後の輸入検査を中止すること。

 

 



別記様式1,2,3,4